新しい年が明け、気持ちよく一年をスタートさせようとした矢先、「あ!ついいつもの癖で掃除機をかけてしまった…」「お風呂をピカピカにしてしまった…」と、ハッとした経験はありませんか?
お正月、特に元旦には「掃除をしてはいけない」という古くからの言い伝えがあります。そのため、うっかり元旦に掃除をしてしまったことに気づくと、「せっかくの運気が下がってしまうのでは?」と不安になってしまうものです。
でも、安心してください。やってしまったことを悔やむよりも、その後の対処や心の持ちようを整えることの方が、運気を左右する上でとても大切です。
この記事では、なぜ元旦の掃除が避けられるのかという理由から、もし掃除をしてしまった場合の具体的なリカバリー方法を詳しく解説します。
さらに、現代のライフスタイルに合わせた柔軟な考え方までを網羅しました。不安な気持ちを払拭し、前向きな気持ちでお正月を過ごすためのヒントになれば幸いです。
この記事でわかること:
- 元旦に掃除をしてはいけないとされる3つの伝統的な理由
- 洗濯や水仕事など、掃除以外に気をつけるべきお正月のタブー
- うっかり掃除をしてしまった時に運気を落とさないためのリカバリー術
- 現代の生活に合わせたお正月の過ごし方と1月2日の「事始め」
元旦に掃除をしてしまったと不安な方への対処法と理由
- なぜダメなの?歳神様を追い出してしまうという言い伝え
- 福を掃き出す行為や神様に休息していただく意味
- 掃除だけじゃない?洗濯や水仕事も避けるべき理由
- ゴミ出しや包丁の使用も元旦には控えるべき?
- うっかりやってしまった時のリカバリー方法と心の持ち方
- 初詣での祈願や盛り塩で空間を清める具体的な手順
なぜダメなの?歳神様を追い出してしまうという言い伝え

元旦にお掃除をしてしまうと、なぜ縁起が悪いと言われているのでしょうか。その最大の理由は、お正月の主役である「歳神様(としがみさま)」の存在にあります。
日本古来の信仰において、元旦はそれぞれの家庭に新しい年の幸福や実りをもたらしてくれる歳神様をお迎えする、一年で最も特別な日とされています。歳神様は、初日の出と共にやってきて、家の中に留まると信じられてきました。
昔から、掃除道具である「ほうき」や「はたき」を使って家の中を掃き清める行為は、塵や埃を外に出すだけでなく、家の中にいらっしゃる神様まで一緒に掃き出してしまうことに繋がると考えられてきたのです。
詳細な由来については、神社本庁(公式サイト)でも歳神様をお迎えする大切さが説かれています。

せっかく来てくれたお客様を、玄関先でほうきを持って追い返すようなものだと考えるとわかりやすいですね。
具体的には、掃除機をかけることや、床を掃くといった行為がこれに当たります。「掃除をしてしまった」と焦る気持ちはわかりますが、まずはこの由来を知り、「神様に来ていただいている」という意識を改めて持つことが大切です。
知らずにやってしまったのであれば、それは悪意があったわけではありません。大切なのは、この言い伝えが「神様を大切におもてなししたい」という昔の人々の敬う心から生まれたものだと理解することです。
また、この風習は地域によっても解釈が異なる場合があります。一般的には「三が日」は掃除を控えるべきといわれますが、元旦だけ気をつければ良いとする地域もあります。
もし掃除をしてしまったとしても、「神様、お騒がせしてすみません。ここを綺麗にしてお待ちしておりました」と心の中で唱えれば、神様もきっと許してくださるでしょう。
福を掃き出す行為や神様に休息していただく意味
歳神様を追い出すことと似ていますが、もう一つの大きな理由は「福を掃き出す」という考え方です。お正月には、家の中にたくさんの「福」が満ちているとされています。
この福は、目に見えない幸運のエネルギーのようなものです。元旦に掃除をして、ゴミや埃を家の外に出すという行為は、家の中に溜まったこの「福」まで一緒に外へ捨ててしまうことになると信じられてきました。
特に「掃き出し窓」からゴミを掃き出す行為や、玄関から塵を掃き出す行為は、金運や健康運を自ら手放すようなものだと忌避されてきたのです。

物理的なゴミと一緒に、目に見えない幸運まで捨ててしまわないようにという戒めなんですね。
さらに、元旦に掃除をしない理由には、神様への配慮だけでなく、人間への配慮も含まれています。それは、「神様に静かに休息していただく」という意味と、「日頃家事を担っている人を休ませる」という意味です。
元旦くらいは、かまどの神様(荒神様)や水の神様にも休んでいただき、静かな環境で過ごすべきだという教えがあります。また、一年中忙しく働いている主婦や家事従事者が、正月の間くらいは掃除や洗濯から解放され、のんびりと過ごせるようにという「優しさ」の意味も込められているのです。
もし、あなたが元旦に掃除をしてしまったとしても、それは「家族のために快適な環境を作ろう」という勤勉さの表れでもあります。神様は、働く人を無下に罰したりはしません。
「今年は家族みんなでゆっくり過ごそう」というメッセージだと受け取り、掃除の手を止めて、リラックスする時間に切り替えましょう。
掃除だけじゃない?洗濯や水仕事も避けるべき理由

「掃除をしてしまった」と気にする方が意外と見落としがちなのが、洗濯やその他の水仕事です。実は、元旦のタブーは掃除機をかけることだけではありません。
洗濯機を回して洗濯物を干す行為や、お風呂掃除、洗い物といった水仕事全般も、できるだけ避けるべきだとされています。これには、「福を洗い流してしまう」という意味があります。
せっかく授かった福や運気を、水と一緒に流してしまうのはもったいない、というわけです。また、水を使うことは「水の神様」を働かせてしまうことにもなります。
| 行動 | タブーとされる理由 | どうしても必要な時の対策 |
|---|---|---|
| 洗濯 | 服(福)を洗い流す。 水の神様が休めない。 |
必要最低限の下着のみ手洗いする。 残り湯は流さず翌日にする。 |
| お風呂掃除 | 福を水で流す。 水場を騒がしくする。 |
こする程度にし、洗剤や大量の水を使わない。 前日までに済ませておく。 |
| 洗い物 | 洗剤や水で福を流す。 家事をする人が休めない。 |
紙皿や紙コップを利用する。 食洗機を活用し手間を減らす。 |
とはいえ、現代の生活で完全に水仕事を断つのは難しいのが現実です。小さなお子様がいる家庭や大家族の場合、一日でも洗濯をしないと生活が回らなくなることもあります。
もし、うっかり洗濯機を回してしまったとしても、過度に恐れる必要はありません。「清潔な環境で新年を過ごしたい」という気持ちは、決して悪いものではないからです。
どうしても気になる場合は、すすぎの水を流す際に「穢れ(けがれ)だけを流し、福は残します」と心の中で念じると良いでしょう。昔の知恵を尊重しつつ、現代の生活に合わせて無理のない範囲で取り入れることが大切です。
ゴミ出しや包丁の使用も元旦には控えるべき?
掃除に関連して、元旦についやってしまいがちなのが「ゴミ出し」です。家の外のゴミ箱や集積所にゴミを持っていく行為自体が、タブー視されることがあります。
これも「掃除」と同様、「福を家の外に捨てる」ことに繋がるからです。家の中で出たゴミは、三が日の間は袋にまとめて家の中に置いておくのが、風水や縁起の面では良しとされています。
また、料理に関するタブーとして「包丁」の使用も挙げられます。元旦に包丁を使うことは、主に以下の2つの理由から避けられる傾向にあります。
おせち料理が保存食中心で作られているのは、元旦に包丁や火を使わなくて済むようにという先人の知恵でもあります。しかし、お雑煮の具材を切るなど、どうしても必要な場面はあるでしょう。
もし元旦に包丁を使ってしまったとしても、「未来を切り拓く」というポジティブな意味付けをすることも可能です。大切なのは、「できるだけ穏やかに、神様や家族との時間を大切にする」という姿勢です。
「ゴミを出してしまった」とクヨクヨ悩むことの方が、せっかくの明るいお正月の雰囲気を壊してしまい、運気を下げてしまう原因になりかねません。
うっかりやってしまった時のリカバリー方法と心の持ち方

習慣でうっかり元旦に掃除をしてしまった場合、どうすれば良いのでしょうか。「しまった!」と青ざめているあなたへ、今すぐできるリカバリー方法をお伝えします。
まず一番大切なのは、「ネガティブな感情を引きずらないこと」です。「運気が下がる」と不安に思い続けることこそが、マイナスのエネルギーを引き寄せてしまいます。
そこで、以下のように考え方を変換(リフレーミング)してみてください。「神様を迎える準備を、より完璧にできた!」と捉え直すのです。

「これで家の中が清まりました。歳神様、どうぞごゆっくりお過ごしください!」
日本には「言霊(ことだま)」という信仰があります。ポジティブな言葉を口にすることで、その通りの良い現実を引き寄せることができます。
掃除をしてしまった事実は変えられませんが、その意味づけは自分の言葉一つで「福招き」に変えることができるのです。家族に対しても「綺麗になって気持ちいいね!」と笑顔で伝えることで、家の中の空気は一気に明るくなります。
初詣での祈願や盛り塩で空間を清める具体的な手順
具体的な行動で安心感を得たいという方には、初詣での祈願や「盛り塩」をおすすめします。これらの儀式を行うことで、心理的な区切りをつけることができます。
1. 初詣で改めてご挨拶をする
初詣に行った際、神前で手を合わせる時に、心の中でこう伝えてみてください。「うっかり元旦に掃除をしてしまいましたが、家を清めるつもりで行いました。本年もどうぞよろしくお願いいたします」。神様に正直に報告することで、罪悪感を手放すことができます。
2. 掃除した場所に盛り塩をする
掃除をしてしまった場所(玄関や水回りなど)に、盛り塩を置くことで場を清めることができます。盛り塩には、悪い気を払い、良い気を呼び込む効果があるとされています。
3. お香やアロマを焚く
香りは空間を一瞬で浄化する力があるといわれています。白檀(びゃくだん)やセージなど、浄化作用が高いとされるお香を焚いて、家の中の気をリフレッシュさせましょう。「これで空気も変わった!」と実感することが、リカバリーの完了合図です。
元旦に掃除をしてしまった後の過ごし方と現代の考え方
- 掃除はいつからOK?1月2日の事始めと吉日の意味
- 2日に改めて行う丁寧な掃除で運気を呼び込む手順
- 現代のライフスタイルにおける衛生面と精神衛生の優先
- 掃き出しではなく「整え」ならOK?柔軟な解釈について
- 家族が笑顔で過ごすことこそが最大の福招きになる
- 元旦に掃除をしてしまった場合のまとめ
掃除はいつからOK?1月2日の事始めと吉日の意味

「元旦に掃除をしてしまった」と気にされている方は、一体いつから堂々と掃除をして良いのかも気になるポイントでしょう。日本の伝統的な風習では、1月2日が「事始め(ことはじめ)」の日とされています。
1月2日は、お正月のタブーが解禁され、物事を新しく始めるのに最適な日です。書き初めをしたり、商売を始めたりするのと同様に、家事や掃除をこの日からスタートさせると、その一年間が順調に進むといわれています。

2日から動けばいいんですね!それなら元旦一日はゆっくり休む口実にもなりますね。
もし元旦にうっかり掃除をしてしまった場合でも、この「1月2日」をリセットの機会として活用しましょう。元旦の掃除は「神様を迎えるための前準備」だったとし、2日からの掃除を「今年一年の家事のスタート」と位置づけるのです。
2日に改めて行う丁寧な掃除で運気を呼び込む手順
1月2日に行う掃除は、単なる汚れ落としではなく、一年の福を定着させるための儀式のようなものです。元旦の失敗をポジティブな行動で上書きしましょう。
1. 新しい雑巾を使う
事始めには、新しい道具を使うのが吉です。新しい雑巾をおろして拭き掃除をすることで、気持ちがパリッと引き締まります。
2. 「拭き掃除」を中心にする
大きな音が出る掃除機よりも、静かに床や家具を磨く「拭き掃除」がおすすめです。床を磨くことは、自分の心を磨くことにも繋がります。「今年も家族が健康でありますように」と願いを込めながら行いましょう。
3. 玄関を整える
運気の入り口である玄関を改めて整えます。靴を揃え、たたき(土間)を水拭きします。2日に玄関をピカピカにすることで、新しい良い運気がどんどん入ってくるようになります。
現代のライフスタイルにおける衛生面と精神衛生の優先

ここまで伝統的な風習についてお話ししてきましたが、現代社会において、これらのタブーをすべて守るのは非常に難しいことです。昔と今とでは、住環境も生活スタイルも大きく異なります。
例えば、ペットを室内で飼っているご家庭や、アレルギーを持つお子様がいるご家庭では、一日掃除機をかけないだけで健康被害が出る可能性もあります。風習を守るあまり、家族の健康を害しては本末転倒です。
神様は、形式的なタブーよりも、その家に住む人々が健やかであることを望んでいるはずです。「我が家は衛生面を優先しました」という確固たる意志があれば、後ろめたさを感じる必要は全くありません。
掃き出しではなく「整え」ならOK?柔軟な解釈について
掃除をしたいけれど、言い伝えも気になる…という方のための折衷案として、「掃除」ではなく「整え」を行うという考え方があります。「掃き出す」という動作を行わなければ良いのです。
例えば、以下のような行動は「整え」として、セーフと解釈できます。
| NGな行動(掃き出し) | OKな行動(整え) |
|---|---|
| 掃除機をガンガンかける | 粘着カーペットクリーナー(コロコロ)で静かにゴミを取る |
| ほうきでゴミを外へ掃き出す | フロアワイパーでゴミを集め、部屋の隅にまとめておく |
| ゴミ袋を外の集積所へ出す | ゴミ袋の口を縛り、見えない場所に綺麗に収める |
| 大掛かりな拭き掃除 | テーブルの上やテレビ周りの埃をサッと拭う |
ポイントは、「外に出さない」ことと「大きな音を立てない」ことです。家の中を整頓し、居心地を良くするというスタンスであれば、神様を追い出すことにはなりません。
家族が笑顔で過ごすことこそが最大の福招きになる

最後に、最も大切なことをお伝えします。それは、どのような行動をとるにせよ、「家族が笑顔で過ごすこと」がお正月における最大の福招きであるということです。
「掃除をしてしまった!どうしよう!」と青ざめて、家の中がピリピリしてしまうと、せっかくの運気も逃げてしまいます。神様は、明るく笑い声の絶えない家を好むといわれています。

掃除しちゃったけど、まあいっか!綺麗になってスッキリしたね!と笑い飛ばせる強さが大切だよ。
元旦に掃除をしてしまったとしても、そのおかげで家族が気持ちよく過ごせたのなら、それは一つの「正解」です。過去の事実に囚われるのではなく、「今、この瞬間を家族とどう楽しむか」に目を向けてください。
美味しいおせちを食べ、家族で会話を楽しむ。そんな温かい時間の中にこそ、本当の福は宿ります。その笑い声が、邪気を払い、歳神様を喜ばせる最高のおもてなしになるはずです。
元旦に掃除をしてしまった場合のまとめ
さいごに、記事の内容をまとめます。
- 元旦の掃除は歳神様を追い出すとされるため避ける風習がある。
- 福を掃き出すことや、神様に休息してもらう意味も含まれる。
- 掃除だけでなく、洗濯や水仕事も福を流すとしてタブー視される。
- ゴミ出しや包丁の使用も、縁を切るなどの理由で控える傾向がある。
- やってしまっても過度に落ち込まず、前向きに捉えることが大切。
- 「神様を迎える準備ができた」と言霊でポジティブに変換する。
- 初詣で改めて挨拶をしたり、盛り塩で場を清めたりすると良い。
- 掃除の解禁日は一般的に「事始め」である1月2日とされる。
- 2日には新しい雑巾などで丁寧に拭き掃除をし、運気を呼び込む。
- 現代では衛生面を優先し、掃除をすることを良しとする考えもある。
- ペットや子供がいる家庭では、無理に風習を守る必要はない。
- 掃除機ではなく、コロコロなどで「整える」程度なら問題ない。
- 最も重要なのは家族が笑顔で過ごすことであり、それが福を招く。
- 過去の行動を悔やむより、これからの時間を楽しむことに集中する。

