お正月が近づくと、玄関先を彩る門松の準備を始めるご家庭も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ飾ろうとすると「左右どちらに何を置くのが正解なの?」と迷ってしまうものです。
せっかく神様をお迎えするための準備をするのですから、失礼のないように正しい作法を知っておきたいですよね。
この記事では、門松の配置に関する基本ルールから、地域による違い、さらには現代の住宅事情に合わせた飾り方まで詳しく解説します。
この記事を最後まで読めば、自信を持って門松を飾り、晴れやかな気持ちで新年を迎えられるようになるはずです。
伝統的な意味を知ることで、いつものお正月飾りがより深い意味を持つものへと変わるでしょう。
この記事でわかること:
- 門松を置く際の「左右の正しい配置」と雄松・雌松の見分け方
- 運気を呼び込む「内飾り」と「外飾り」による竹の並べ方の違い
- 関東と関西で大きく異なる門松のデザインや文化的な背景
- マンションや狭い玄関でも失礼にならない現代的な飾り方と処分方法
門松の右左を正しく置く基本のルール
- 玄関に向かって左が雄松で右が雌松
- 雄松と雌松を見分けるための特徴
- 竹の長さと配置による内飾りと外飾り
- 関東と関西で異なる門松の文化と飾り方
- マンションの玄関に飾る際の工夫
- 12月28日に飾るのがベストな理由
玄関に向かって左が雄松で右が雌松

門松を飾る際、最も基本となるのが左右の配置です。
一般的には、玄関の外に立って建物に向き合った状態で、向かって左側に「雄松(おまつ)」、右側に「雌松(めまつ)」を置くのが正しいとされています。
なぜ左が雄松なのかというと、古来より日本には「左上座(さじょうざ)」という考え方があるためです。
これは、向かって左側(神様から見て右側)を上位とする文化に基づいています。

雛人形の配置なども、この「左が上位」というルールに基づいていることが多いんですよ。伝統的な儀礼では左右の順序が非常に大切にされています。
注意点として、この「左右」はあくまで「外から玄関を見た時」の視点であることを忘れないでください。
家の中から外を見た時の左右ではありませんので、配置する際は一度玄関の外に出て確認することをおすすめします。
もし逆に置いてしまったとしても、すぐに罰が当たるようなものではありませんが、神様をお迎えする目印としては正しい作法を守りたいものです。
雄松は家を守る力強さを、雌松は家庭の和やかさを象徴しているため、この一対が揃うことで家庭のバランスが整うと考えられています。
雄松と雌松を見分けるための特徴
左右の配置がわかっても、どちらが雄松でどちらが雌松か見分けがつかないという方も多いでしょう。
雄松(黒松)と雌松(赤松)には、見た目に明確な違いがありますので、ポイントを押さえれば簡単に見分けられます。
まず、雄松は「黒松(くろまつ)」とも呼ばれ、その名の通り樹皮が黒っぽく、ゴツゴツと荒々しいのが特徴です。
葉は太くて硬く、触るとチクチクと痛いほどの生命力に溢れており、色は濃い深緑色をしています。
一方で、雌松は「赤松(あかまつ)」と呼ばれ、樹皮が赤茶色をしていて表面が比較的滑らかです。
葉は細くて柔らかく、手で触れても優しさを感じる質感で、色は雄松に比べると少し淡い緑色をしています。
最近の市販されている小さな門松では、どちらも同じ松が使われているケースも稀にあります。
その場合は、竹の配置や飾り付けのバランスを見て、左右対称になるように配置すれば問題ありません。
しかし、本格的な門松を仕立てる際は、この対照的な二つの松を揃えることに意味があります。
力強さと優しさが共存する玄関は、訪れる人にも安心感を与え、新年の福を呼び込むのにふさわしい場所となるでしょう。
竹の長さと配置による内飾りと外飾り

門松の主役ともいえる「竹」の並べ方にも、実は深い意味が込められています。
一般的に門松の竹は3本一組ですが、この3本の高さのバランスによって「内飾り」と「外飾り」の2種類に分かれます。
「内飾り(内こぼし)」は、3本の竹のうち2番目に長い竹を、左右それぞれ内側(玄関の入り口側)に配置するスタイルです。
これは「福を内に呼び込む」という意味があり、一般家庭で多く取り入れられている飾り方です。
対して「外飾り(外こぼし)」は、2番目に長い竹を外側に向くように配置します。
これには「厄を外へ出す」という意味や、商売をされている方の場合は「お客様を外から招き入れる」という願いが込められています。
| 種類 | 2番目の竹の位置 | 主な意味 |
|---|---|---|
| 内飾り | 内側(入り口側) | 家内安全、福を招く |
| 外飾り | 外側 | 商売繁盛、厄除け |
どちらが正解ということはありませんが、ご自身の願いに合わせて竹の向きを調整してみるのも面白いでしょう。
竹の切り口についても、斜めに切られた「そぎ」と、節で水平に切られた「節止め」があり、それぞれに由来があります。
そぎは徳川家康が始めたという説があり、鋭い切り口が武運を象徴しています。
このように、竹一本の配置や切り方にも歴史と願いが詰まっているのが門松の奥深いところですね。
関東と関西で異なる門松の文化と飾り方
門松のデザインは、地域によって驚くほど大きな違いがあることをご存知でしょうか。
特に関東と関西では、その見た目から構成要素まで全く異なる文化が根付いています。
関東風の門松は、竹が3本まっすぐ立ち、その周囲を松で囲む非常にシンプルな形をしています。
土台部分は「藁(わら)」を巻いて縄で結ぶのが一般的で、全体的にすっきりとした控えめな印象を与えます。
一方、関西風の門松は、竹の周囲に「葉牡丹(はぼたん)」を添えたり、松だけでなく梅の枝を飾ったりと豪華なのが特徴です。
また、土台に竹を巻くスタイルが多く、全体的にボリューム感があり、お祝いムードを華やかに演出します。

関西では「根引きの松」といって、根がついたままの松を飾る風習もあるんですよ。これは「幸せが根付くように」という素敵な願いが込められているんです。
このように地域差があるため、ネットで調べた画像とご近所の飾りが違っていても心配する必要はありません。
大切なのは、その土地の風習を尊重しつつ、心を込めてお迎えする準備をすることです。
転勤などで住む地域が変わった際は、近所の神社や商店街の門松を観察してみるのも楽しいかもしれません。
地域ごとの文化の違いを知ることで、日本の伝統の多様性をより深く感じることができるでしょう。
マンションの玄関に飾る際の工夫

現代の住宅事情、特にマンションにお住まいの場合、大きな門松を一対(2つ)飾るスペースを確保するのは難しいこともあります。
「うちは狭いから門松は無理かな」と諦める必要はありません、現代には現代の飾り方があります。
もしスペースが限られている場合は、向かって左側に雄松を1つだけ置くという形でも失礼には当たりません。
本来は1対が望ましいですが、神様をお迎えする気持ちに変わりがなければ、略式でも十分その役割を果たしてくれます。
また、最近ではドアに掛けるタイプの「松飾り」や、棚の上に置けるミニサイズの門松も人気です。
これらは100円ショップやホームセンターでも手軽に手に入り、デザインもモダンなものが増えています。
共用部分に置けない場合は、室内用のコンパクトな門松を玄関の下駄箱の上に飾るだけでも季節感が演出できます。
大事なのは「神様への目印」を作ることですので、住環境に合わせた無理のない範囲で取り入れてみてください。
また、最近ではプラスチック製ではなく、本物の竹や松を使ったミニ門松をレンタルできるサービスも登場しています。
処分の手間も省けるため、忙しい都市生活者にはおすすめの選択肢と言えるでしょう。
12月28日に飾るのがベストな理由
門松をいつから飾るべきか、その日程についても日本古来の縁起を担ぐ風習が深く関わっています。
結論から申し上げますと、最もおすすめの日は「12月28日」です。
なぜ28日が選ばれるのかというと、漢字の「八」が「末広がり」を意味し、古くから大変縁起が良いとされているためです。
これから始まる一年が、末永く繁栄していくようにという願いを込めて、この日に飾るのが定石となっています。
クリスマスが終わってから28日までの間に準備を整えるのが、最もスマートで伝統に則ったスケジュールと言えます。
もし28日を過ぎてしまった場合は、30日に飾るのが次善の策とされています。
逆に、絶対に避けるべき日も存在しますが、それについては次の項目で詳しく解説します。
まずは、カレンダーの28日に印をつけて、余裕を持って準備を進めることを心がけましょう。
早めに飾ることで、年末の慌ただしい時期に心に余裕が生まれ、丁寧な気持ちで神様をお迎えすることができます。
「ギリギリになっちゃった!」と焦って飾るよりも、28日に整えることで、家全体の空気も引き締まるはずです。
門松の右左に関する疑問と正しい処分方法
- 12月29日や31日に飾ってはいけない訳
- 竹の切り口が笑顔に見える笑い竹の魅力
- 門松を片付ける時期と松の内の考え方
- どんど焼きでの処分と家庭での清め方
- 最近のトレンドであるレンタルや手作り門松
- 門松の右左に関する知識のまとめ
12月29日や31日に飾ってはいけない訳

門松を飾る際に、絶対に避けるべきとされる日が2日あります。それは「12月29日」と「12月31日」です。
これには日本人が大切にしてきた「言葉の響き」や「神様への敬意」が関係しています。
まず29日は、数字の語呂合わせで「二重苦(にじゅうく)」に通じるとされ、非常に縁起が悪いと嫌われてきました。
また、地域によっては「くんち(苦日)」と呼び、お祝い事の準備には不向きな日とされています。
次に31日は、「一夜飾り(いちやかざり)」と呼ばれ、神様に対して大変失礼な行為と見なされます。
お正月の神様をお迎えするのに、前日に慌てて準備をするのは誠意が足りない、と考えられているためです。

一夜飾りは、葬儀の準備が一日で行われることにも通じるため、縁起が悪いという意味合いも含まれているんですよ。
もし万が一、忙しくて31日になってしまった場合は、無理に飾るよりも、略式の松飾りを室内で整える程度に留める方が賢明かもしれません。
伝統を重んじる方にとっては、この日程選びこそが、新しい年への向き合い方を表す指標となります。
どうしても28日に間に合わない場合は、せめて30日の午前中に飾るようにしましょう。
心穏やかに神様をお迎えするために、忌み日を避けるという知恵を大切にしたいですね。
竹の切り口が笑顔に見える笑い竹の魅力
最近、特に人気を集めているのが「笑い竹」と呼ばれる門松です。
これは、竹の節の部分で斜めにカットすることで、切り口がまるで笑っている口元のように見えるデザインのものを指します。
この「笑い竹」には、「笑う門には福来る」という言葉通り、一年を笑顔で過ごせるようにという願いが込められています。
見た目が非常に愛らしく、従来の厳かな門松に比べて、親しみやすさを感じさせるのが人気の秘密です。
実はこの笑い竹、歴史的な由来があると言われています。
一説には、徳川家康が三方ヶ原の戦いで武田信玄に敗れた際、次は必ず勝つという決意を込めて、竹の節を切り「笑い飛ばした」のが始まりとも伝えられています。
手作りの門松に挑戦される方は、ぜひこの「笑い竹」のカットに挑戦してみてはいかがでしょうか。
節の位置をうまく見極めて切るのは少しコツがいりますが、成功した時の喜びはひとしおです。
最近では、この笑い竹をベースに、リボンや現代的なオーナメントを組み合わせた「インテリア門松」も増えています。
伝統を守りつつ、新しい感性を取り入れることで、お正月飾りの楽しみ方がさらに広がりますね。
門松を片付ける時期と松の内の考え方
お正月期間が終わり、門松を片付けるタイミングについても明確な決まりがあります。
この期間を「松の内(まつのうち)」と呼び、神様が滞在されている期間を指します。
一般的に、関東では1月7日まで、関西では1月15日(小正月)までを松の内とするのが主流です。
この期間が過ぎたら門松を下げ、お正月モードから日常へと切り替えるのが日本の伝統的な流れです。
ただし、地域や家のしきたりによって、1月11日の鏡開きに合わせて片付ける場合など、細かな違いが存在します。
自分の住んでいる地域の風習がわからない場合は、近所の神社がいつ「どんど焼き」を行っているかを確認するのが最も確実です。
また、松の内が終わると「年神様」がお帰りになります。
門松を片付けるという行為は、単なる掃除ではなく、お見送りの儀式でもあるという意識を持つと、より丁寧な気持ちになれますね。
最近ではカレンダー通りに仕事が始まることも多いため、1月7日の朝に手早く片付ける家庭が増えています。
どのようなスケジュールであっても、感謝の気持ちを持って丁寧に取り扱うことが、最も大切なマナーです。
どんど焼きでの処分と家庭での清め方
役目を終えた門松を、そのままゴミ箱に捨てるのは抵抗があるという方も多いはずです。
最も理想的な処分方法は、地域の神社などで行われる「どんど焼き(左義長)」に持っていくことです。
どんど焼きとは、お正月飾りを積み上げて燃やし、その火で神様をお見送りする伝統行事です。
この火にあたると一年間健康に過ごせると言われており、お正月の締めくくりとして大切な役割を担っています。
もし、近所にどんど焼きを行っている場所がない場合や、日程が合わない場合は、家庭で処分することも可能です。
その際は、以下の手順で清めてから自治体のルールに従って出しましょう。
| 手順 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 1. 清める | 門松を新聞紙などの上に置き、塩を振ってお清めをする。 |
| 2. 包む | 感謝の気持ちを込めながら、新しい紙(白紙など)で包む。 |
| 3. 出す | 他のゴミとは別の袋に入れ、自治体の分別に従って出す。 |
最近では環境への配慮から、プラスチックなどの燃えない素材はあらかじめ取り除いておくことが求められます。
「今まで守ってくれてありがとう」という感謝の言葉を添えるだけで、処分の際の罪悪感も和らぐはずです。
サステナブルな視点から、最近では再利用可能な門松や、レンタルサービスを利用する家庭も増えています。
ライフスタイルに合わせて、無理なく続けられる敬意の払い方を選んでみてください。
最近のトレンドであるレンタルや手作り門松

伝統的な門松も、時代の変化とともに多様な進化を遂げています。
特に最近注目されているのが、「レンタル門松」と「100均リメイク門松」の二つです。
レンタル門松は、プロが仕立てた本格的な門松を期間中だけ設置してくれるサービスです。
処分の手間が一切かからず、毎年最高の状態のものを飾れるため、忙しい家庭や店舗に非常に重宝されています。
一方、100円ショップの材料を使った手作り門松は、SNSを中心に若い世代でブームとなっています。
竹の代わりに紙筒を使ったり、フェルトで松を作ったりと、自由な発想で自分好みのデザインを楽しめるのが魅力です。

お子さんと一緒に手作りするのも、日本の文化を伝える良いきっかけになりますよね。自分たちで作ると愛着もひとしおです!
手作りの場合でも、今回ご紹介した「左が雄松、右が雌松」という基本ルールを反映させれば、立派な伝統行事になります。
また、最近ではSDGsの観点から、プラスチック素材を極力使わない「生花門松」も見直されています。
形は変わっても、新しい年を祝う心は今も昔も変わりません。
自分たちの生活に合ったスタイルで、門松という文化を次世代に繋いでいきたいものですね。
門松の右左に関する知識のまとめ
さいごに、記事の内容をまとめます。
- 門松の配置は、玄関に向かって「左が雄松(黒松)、右が雌松(赤松)」が基本。
- 雄松は葉が硬く色が濃い、雌松は葉が柔らかく色が明るいのが特徴。
- 竹の2番目の長さを内側に向ける「内飾り」は福を招く意味がある。
- 竹を外側に向ける「外飾り」は、商売繁盛や厄除けの願いが込められている。
- 関東風はシンプルで藁巻き、関西風は葉牡丹を添えて華やかなのが一般的。
- マンションなどでスペースがない場合は、左に雄松1つだけでも失礼ではない。
- 飾る時期は、末広がりの縁起を担いで「12月28日」が最もおすすめ。
- 12月29日は「二重苦」、12月31日は「一夜飾り」となるため避けるべき。
- 竹の切り口が笑顔に見える「笑い竹」は、福を呼ぶ縁起物として人気。
- 片付ける時期(松の内)は、関東は1月7日、関西は1月15日が目安。
- 処分は地域の「どんど焼き」が理想だが、家庭で塩でお清めして出すことも可能。
- 現代ではレンタルや手作りなど、ライフスタイルに合わせた楽しみ方が増えている。
- 正しい作法を知ることで、神様を敬い、清々しい気持ちで新年を迎えられる。




















