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注連縄と七五三縄の違いとは?由来や飾り方を徹底解説

記事: 注連縄 七五三縄 違い 神社・神道

お正月が近づくと、ホームセンターやスーパーなどで正月飾りを見かけるようになります。

商品パッケージや神社の案内などで「注連縄」と「七五三縄」という二つの表記を目にして、疑問に思ったことはないでしょうか。

どちらも「しめなわ」と読みますが、この二つには一体どのような違いがあるのか、どちらを選ぶのが正解なのかと迷ってしまう方も少なくありません。

実は、言葉の意味や指し示す対象としては同じものを意味しているのですが、その漢字が使われるようになった背景や由来には、それぞれ異なる歴史や意味が込められています。

新しい年を気持ちよく迎えるためには、こうした言葉の意味や背景を正しく理解し、適切な方法で歳神様をお迎えする準備を整えることが大切です。

この記事では、二つの表記が生まれた理由やそれぞれの漢字に込められた願い、さらには意外と知られていない正しい飾り方のルールまで、詳しく解説していきます。

注連縄と七五三縄の違いをしっかりと理解することで、日本の伝統文化への造詣が深まり、より清々しい気持ちでお正月を迎えられるようになるでしょう。

これからお正月飾りを準備しようとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること:

  • 「注連縄」と「七五三縄」は同じものを指すが由来が異なる
  • 「七五三」の数字には縁起の良い意味が込められている
  • 神棚や玄関への正しい飾り方や向きのルール
  • お正月飾りの適切な処分方法や飾る期間

注連縄と七五三縄の違いや意味と由来について

  • 注連縄と七五三縄の根本的な違いはあるのか
  • なぜ「七五三」という数字が使われるのか
  • 他にもある「標縄」や「占縄」という漢字表記
  • そもそも注連縄にはどんな役割があるのか
  • 神話から紐解く注連縄の起源と歴史
  • 大根締めや牛蒡締めなど形による種類の違い

注連縄と七五三縄の根本的な違いはあるのか

注連縄と七五三縄の根本的な違いはあるのか

お正月の準備をする際に、多くの人が疑問に感じるのが、漢字表記の違いではないでしょうか。

結論から申し上げますと、「注連縄」と「七五三縄」は、指している対象そのものは全く同じです。どちらも神聖な場所を区切るための縄を指しており、機能や役割に違いはありません。

しかし、なぜ二つの異なる表記が存在するのでしょうか。それは、それぞれの漢字が当てられた「由来」と「視点」が異なるからです。

それぞれの特徴を整理して理解することで、日本文化の奥深さを感じることができるでしょう。

モノは同じだけど、名前の付け方のルーツが違うんだね。どう使い分ければいいのかな?

一般的には「注連縄」と書くことが多いですが、縁起を担ぐ場面では「七五三縄」も見かけますね。どちらを使っても間違いではありませんよ。

まず「注連縄」という表記ですが、これは中国の古い風習に由来しているといわれています。

中国ではかつて、死者が出た家の入り口に、清めの水を注いだ縄を連ねて張り、悪霊が入ってこないようにする「注連(ちゅうれん)」という習慣がありました。

この「清浄な区域を保つ」「不浄なものの侵入を防ぐ」という機能的な意味合いが日本に伝わり、神道の儀式と結びついて「注連縄」という漢字が定着したとされています。

一方、「七五三縄」という表記は、縄の構造や見た目に由来しています。正式な作法で作られた縄には、「藁(わら)の房(ふさ)」を垂れ下げるのですが、その本数が決まっているのです。

縄の端から順に「7本・5本・3本」と房を下げるスタイルが正式とされており、その見た目をそのまま漢字に当てはめたのが「七五三縄」なのです。

このように、機能や歴史的背景を重視したのが「注連縄」、構造や形式美を重視したのが「七五三縄」といえるでしょう。

どちらの表記も正しく、神社や地域によって使い分けられていますが、現在では一般的に「注連縄」の表記が多く使われています。

表記 由来・背景 特徴
注連縄 中国の「注連(ちゅうれん)」という風習 機能的・宗教的な意味が強い(不浄を防ぐ)
七五三縄 藁の房(〆の子)の本数(7・5・3本) 構造的・縁起物としての意味が強い

なぜ「七五三」という数字が使われるのか

「七五三縄」という漢字に使われている「7・5・3」という数字には、単なる房の数以上の深い意味が込められています。

日本人にとって馴染み深い「七五三」という行事もありますが、この数字の並びには、古来より伝わる思想が反映されているのです。

もっとも有力な説の一つとして、陰陽道(おんみょうどう)の影響が挙げられます。陰陽道では、奇数は「陽の数(縁起が良い数字)」、偶数は「陰の数」と考えられてきました。

奇数の中でも、特に3、5、7といった数字は力が強く、おめでたい数字とされています。

3月3日や5月5日、7月7日など、日本の節句が奇数の重なる日に行われるのも、この思想に基づいています。

神聖な場所を守るための縄においても、最高の吉数であるこれらの数字を取り入れることで、より強い神聖さと清浄さを保とうとしたのです。

親子の絆を表すという説も

数字の意味については他にも説があり、「3」は子供、「5」は母親、「7」は父親を象徴しているともいわれています。

家族みんなで力を合わせて、家内安全や子孫繁栄を願うという意味が込められているという解釈です。家族の絆を大切にする日本らしい考え方ですね。

また、神道の神話に基づいた解釈もあります。「天神七代(てんじんしちだい)」「地神五代(ちじんごだい)」「御三世(みよ)」という、神様の系譜や歴史を表しているという説です。

このように、単なる飾り付けのルールではなく、神様への敬意や縁起の良さを追求した結果として、この数字が選ばれているのです。

普段何気なく目にしているお飾りですが、ぶら下がっている藁の房(「〆の子」や「あし」と呼ばれます)の本数を数えてみると、作り手のこだわりや伝統が見えてくるかもしれません。

ただし、現代の簡易的な注連縄や輪飾りでは、房の数が省略されていたり、デザインとして簡略化されていたりすることも多いため、必ずしもすべての縄がこの通りになっているわけではありません。

他にもある「標縄」や「占縄」という漢字表記

他にもある「標縄」や「占縄」という漢字表記

実は、「しめなわ」を表す漢字は「注連縄」や「七五三縄」だけではありません。文献や地域によっては、「標縄」や「占縄」といった表記も使われることがあります。

これらの漢字も、それぞれ「しめなわ」が持つ役割の一側面を表しています。

まず「標縄(しめなわ)」について解説しましょう。この「標」という字は、「標識」や「道しるべ」などの言葉に使われるように、「目印」という意味を持っています。

つまり、「ここから先は神様の領域(神域)ですよ」ということを人々に知らせるための境界線としての役割を強調した書き方です。

次に「占縄(しめなわ)」です。これは「占める(しめる)」という言葉から来ています。場所を占有する、自分の領分とするという意味合いです。

神様が「ここは私の場所である」と占有した神聖なエリアであることを示すために張られた縄、という解釈になります。

漢字から読み解く日本の心

一つの言葉に対して、これほど多くの漢字表記が存在することは、日本人が「しめなわ」に対して多面的な意味を見出してきた証拠です。

清浄さを保つ機能、縁起の良い構造、場所を示す目印、神様の所有権。それぞれの漢字が、この縄の持つ大切な役割を物語っています。

そもそも注連縄にはどんな役割があるのか

お正月に玄関に飾ったり、神社の鳥居に掛けられていたりする注連縄ですが、本来どのような目的で使われているのでしょうか。

単なる装飾品ではなく、そこには明確な宗教的な機能が存在します。大きく分けて、以下の3つの重要な役割があります。

  1. 神聖な場所を示す「結界」
    これが最も基本的な役割です。神様がいらっしゃる清浄な場所(神域)と、私たちが暮らす日常の世界(現世)を区切る境界線の役割を果たします。
  2. 不浄なものを防ぐ「魔除け」
    外から災いや病気、悪霊などの不浄なものが入ってこないようにブロックする役割です。お正月に家の玄関に飾るのは、家を守るバリアのようなものです。
  3. 神様をお迎えする「目印」
    お正月にお迎えする「歳神様(としがみさま)」が、迷わずに降りてこられるようにするための目印(依り代)としての役割もあります。

結界に魔除けに目印…。一つで三役もこなしているなんて、すごいアイテムなんだね。

神話から紐解く注連縄の起源と歴史

神話から紐解く注連縄の起源と歴史

注連縄の起源は非常に古く、日本神話の時代まで遡ることができます。もっとも有名なエピソードは、「天岩戸(あまのいわと)神話」です。

太陽の神様である天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、天岩戸という洞窟に引きこもってしまった際、世界は闇に包まれました。

八百万の神々が知恵を絞り、天照大御神を外に連れ出した際、二度と洞窟の中に戻れないように入り口に縄を張って封印したといわれています。

この時に使われたのが「尻久米縄(しりくめなわ)」であり、これが現在の注連縄のルーツとされています。

「しりくめなわ」とは?

「尻久米縄」の語源は、「尻(端っこ)を、久米(組む=ねじる)」縄という意味だといわれています。つまり、縄の端が解けないようにしっかりとねじって組んだ縄のことです。

大根締めや牛蒡締めなど形による種類の違い

注連縄には、地域や用途によってさまざまな形が存在します。代表的な種類をいくつかご紹介しましょう。

種類 形状の特徴 主な用途・飾る場所
大根締め 中央部分が太く、両端に行くにつれて細くなる形状。 一般的な神社の拝殿や鳥居、家庭の玄関など。
牛蒡締め 片方が太く、もう片方に向かって徐々に細くなる形状。 神棚に飾るのが一般的。
輪飾り 細い注連縄を輪っか状にした簡略化されたもの。 キッチン、個室のドア、水回り、車など。
荒神締め 細い縄で作られたもの。 台所(火の神様・荒神様)専用。

大根締めは、存在感があり立派に見えるため、神社の鳥居などでよく見かけるタイプです。家庭用の玄関飾りとしても人気があります。

牛蒡締めは、神棚によく使われます。飾る際は向きに注意が必要ですが、最近では麻で作られたシンプルなモダンなものも増えています。

輪飾りは、「玉飾り」とも呼ばれ、本格的な注連縄を飾るスペースがない場所にも気軽に飾れる便利なタイプです。

「ここは大切な場所ですよ」という印として、家の中の各部屋や、お風呂場、トイレなどの水回りに飾るのに適しています。

注連縄と七五三縄の違いを理解した正しい飾り方

  • 向きは左右どっちが太いのが正解なのか
  • 飾る時期はいつからいつまでが良いのか
  • 処分方法はどんど焼きかゴミ出しのどちらか
  • 間違えやすい読み方やマナーの注意点
  • 注連縄と七五三縄の違いまとめ

向きは左右どっちが太いのが正解なのか

向きは左右どっちが太いのが正解なのか

注連縄(特に牛蒡締め)を飾る際に、最も迷うのが「左右の向き」です。基本ルールとして、「神様から見て左側(私たちから見て右側)が上位」という考え方があります。

これを「左上位(さじょうい)」といいます。そのため、一般的な神社や家庭の神棚では、以下のように飾るのが基本とされています。

一般的な飾り方(伊勢流など)

向かって「右側」に太い部分(綯い始め)が来るように飾ります。細い部分は向かって「左側」になります。

しかし、注意が必要な例外があります。それが出雲大社などの出雲流の地域です。

出雲大社では向きが逆になり、向かって「左側」に太い部分が来るように飾られています。これは、縄の綯(な)い方自体が、通常とは逆の「左巻き」で作られているためです。

地域の慣習が最優先

基本は「向かって右が太い」ですが、お住まいの地域や氏神様(地元の神社)の流儀によって異なる場合があります。不安な場合は、地元の神社の飾り方を確認するのが一番確実です。

飾る時期はいつからいつまでが良いのか

お正月飾りを出すタイミングと片付けるタイミングにも、伝統的なルールがあります。

【飾り始める時期】
12月13日の「正月事始め」以降ならいつでも良いとされていますが、現代ではクリスマスが終わった後の12月26日から28日頃に飾るのが一般的です。

特に12月28日は、「八」という字が末広がりで縁起が良いとされるため、飾るのに最も適した日と言われています。

避けるべき日(二重苦と一夜飾り)

  • 12月29日:「二重苦(ふたえく)」につながるため、縁起が悪いとされます。
  • 12月31日:「一夜飾り(いちやかざり)」となり、神様に対して失礼にあたるため避けます。

【片付ける時期】
飾りを外す期間を「松の内(まつのうち)」と言います。

  • 関東や東北など多くの地域:1月7日まで
  • 関西地方など:1月15日まで(小正月まで)

処分方法はどんど焼きかゴミ出しのどちらか

処分方法はどんど焼きかゴミ出しのどちらか

最も理想的な処分方法は、神社や地域で行われる「どんど焼き(左義長・お焚き上げ)」に持っていくことです。

小正月(1月15日頃)に、正月飾りや書き初めなどを集めて焚き上げる火祭りで、一年間の無病息災を願う意味もあります。

どんど焼きに行けない時はどうすればいいの?普通に捨ててもバチは当たらない?

家庭ゴミとして出す場合は、以下の手順でお清めをしてから出しましょう。

  1. 大きめの紙(新聞紙や半紙など)を広げる。
  2. その上に注連縄を置く。
  3. を左・右・左とかけてお清めをする。
  4. 紙で丁寧に包む。
  5. 他の生ゴミなどとは別の袋に入れて、自治体の分別ルールに従って出す。

間違えやすい読み方やマナーの注意点

「注連縄」も「七五三縄」も、基本的にはどちらも「しめなわ」と読みます。「しちごさんなわ」は当て字としての読み方ですが、知識として覚えておくとスマートです。

また、喪中の場合の対応についても注意が必要です。その年に身内に不幸があった場合は、お祝い事であるお正月行事を控えるのが一般的です。

そのため、喪中の期間は注連縄や門松などは飾りません。忌明けが済んでいれば神棚のお祀りをして良いとする場合もありますが、家族や地域の風習に相談しましょう。

注連縄と七五三縄の違いまとめ

さいごに、記事の内容をまとめます。

注連縄と七五三縄の違いまとめ
  • 「注連縄」と「七五三縄」は同じものを指し、機能や役割に違いはない
  • 「注連縄」は中国の風習が由来で、「七五三縄」は藁の房の数に由来する
  • 「7・5・3」は陰陽道で縁起の良い「陽の数」である
  • 注連縄には「結界」「魔除け」「神様の目印」という3つの役割がある
  • 起源は天岩戸神話の「尻久米縄(しりくめなわ)」にある
  • 飾り方は、一般的に向かって右側を太くする(左上位)のが基本
  • 飾る時期は12月28日がベスト。29日と31日は避けるのがマナー
  • 処分は「どんど焼き」が理想だが、家庭で塩清めして出すことも可能
  • 喪中の期間はお正月飾りを行わないのが一般的なルール
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